Kyoto Seika University MOYO Project

2021

近藤正嗣

0-1+

0 –

1 +

シリーズコンセプト “0-1+”
私は、これまで光を色彩で捉え自然物をモチーフに模様を描きそれを布地にプリントして作品を制作してきました。モチーフが光を反射する一瞬の動きや輝き透明感を、水彩の色彩や滲み、掠れ、重なりで表現しています。描かれた模様がプリントされ布地になることで生活をその光のように彩ってくれると考えているからです。
この作品(0-1+)は、そのモチーフを照らす光の存在を表現できないか考えたデザインです。色彩豊かな布地が生活を鮮やかに彩ってくれると考えています。その考えは今も大切にそれとは違うことを少し意識するようになりました。布地が生活の中での何かを気づかせる役割ができないかということです。布地とデザインと光で普段意識しない何かを感じることができる。そんなことを考えた作品になります。

タイトルになっている “0–1+” は、0を闇、1を光と捉えています。
絵画の世界では、白を光、黒を闇とすると聞いたことがあります。

闇の中から光を見つけるように黒い布地から色を抜くことで模様を浮かび上がらせる。
光の上にモノが重なり埋め尽くすように重版をすることで模様を作り出す。

作品と対面するだけではなく裏から見ていただいたり、角度を変えてみていただきたい作品です。
布地だからできる黒と白の表現を楽しんでいただけたらと思います。


“ 0 – ”
ふとした瞬間に見える光の道筋のようなものを刷毛のかすれから見つけ出そうとしています。
暗い部屋の中に射し込む光を掴もうとしたことはないですか?
そんな光の記憶を頼りに制作しました。

意識しない線を見つけ出そうとしています。手と刷毛を固定して面を塗っていく。闇の中から光を見つけ出すように塗られていない箇所を抜き出して構成しています。描くことではない方法で線を見つけることで自分から少し離れた表現が生まれました。


“ 1 + ”
意識しない形を切り出し組み合わせてカタチを制作しました。
布地の上に白い顔料をプリントすることで布地の上に物質を与えることができます。
光と影を見つけることでそのモノの存在に気づく。そんなことを考えてデザインしています。

目を瞑って紙を切ってそれを構成していく。特定の形を生み出すのではなくなんとなく何かの形を想像するような形を意識して構成しています。形を重ね顔料でプリントすることで薄い布地の中に空間を生み出しています。

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