Kyoto Seika University MOYO Project

2016

山内香純

TOKI: 光の集積

季節の変わり目に漂う独特な香りに気づいたり、光や影でいつもの見慣れた風景が少し変わって見える時、ふと心が動く瞬間があります。その中で、わたしは日常にある、季節の移ろいや時間の経過を見せてくれる暖かい光に出会いました。
わたしは時折、光を探して窓を眺めたり、陽が射した空間に目を向ける時があります。この布は、窓から陽が差し、乱反射するような光の様子を表現した作品です。光自体に形はないですが、空気中やカーテンを通って起こる小さな反射を光の粒に見立てて図案を制作しました。小さな点が集まり、連続的に積み重なるさまから見えてくる模様は、反射の動きや光の大きな揺らめきをイメージしています。そして、この薄い生地でできた布は自らがまた光を取り入れる存在となり、ときを感じさせる媒体の一つになっていくのだと思います。

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