Kyoto Seika University MOYO Project

2017

吉澤恵

niwa-moyo

この模様には日本庭園が描かれているが、当時この作品を展示した会場・THE TERMINAL KYOTO に、まさにその原図となった庭があった。ちょうどこの作品の展示位置の右手にお手本のように広がっていたのである。完璧な風景とは、山や畑などの目に入りやすい場所のみに限らず、登校中に横切る線路の脇道や溝に茂る苔の密集などの些細な景色にも同じようなバランスを持った美しさがあると私は考えている。会場の現場をそのままモチーフにすることで、それを証明したかった。
また、展開のプロダクトとして、作品をそのまま裁断して葉書を制作した。これは画角やポイントが定っている絵画や造形ではなく、同じテンションで際限なく続いていく模様という媒体だからこそ、好きな位置を好きなように切りとれるということを表現したいという私の思いの現れである。

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