2016
栗栖諒
zing: Nukegara
これといって何を考えるでもなくペンを握って白い紙の前に座ると、気が付いた時には見慣れた線の集合体が目の前に広がっている。
それは無意味で無価値で中身のない、まるで抜け殻のような模様。それもそのはずで模様を描くことを目的としているわけではなく、ただひたすらに手を動かして自分の頭の中を空っぽにすることを目的にしているためだ。しかし、その抜け殻に意味や価値が生まれたらと考えるとなかなかに興味深い。さっきまではゴミだったものが今は違う。この作品を作りながら僕は恐らく自分と重ねているのだろう。空っぽの自分の中身を探している。意味を、価値を。そろそろ抜け殻を終わりにしたいと。これはそんな作品。
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